インフラエンジニアの1日スケジュールと具体的な作業!【工程別に女性SEが紹介】

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インフラエンジニアは『ITインフラの構築や運用保守をする』といっても、

具体的な仕事は想像しにくいですよね。

 

ずっとシステムにログインして作業していると思われがちですが、

文書を作成する作業や打ち合わせをしている時間も長いです。

 

この記事では

・インフラエンジニアの仕事内容

・1日のスケジュール

を具体的に紹介します。

 

わたしはIT企業で10年以上インフラエンジニアをしています。

正直、仕事内容はよくわからずに就職しました…

 

これからインフラエンジニアになろうと思っている人は、

仕事内容に興味が持てそうか考えながら読んでみてくださいね!

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インフラエンジニアの仕事はプロジェクト単位

 

インフラエンジニアの仕事はプロジェクト単位で動きます。

 

大きく分けて構築と運用保守のプロジェクトがあり、

構築のほうが比較的短期間のプロジェクトです。

 

短期間といっても構築規模によって数か月~数年かかります。

 

構築のプロジェクトなら構築してリリースすれば完了、

その後は違うプロジェクトに異動です。

 

しばらく構築したメンバーのうち数人が運用に残ることがあります。

 

構築時の背景を知っている人がいるほうが、

その後の運用がスムーズだからです。

 

運用保守のプロジェクトなら終わりはありませんが、

ジョブローテーションや人員の削減でプロジェクトが終了します。

 

構築か運用保守かで仕事の進め方は違います。

構築プロジェクトの仕事内容

構築プロジェクトは下記の流れで進みます。

要件定義

設計

実装

リリース

工程ごとに紹介していきます。

 

要件定義工程

お客様の要件をヒアリングするため打ち合わせが多いです。

 

予算の割り振りや事業継続計画など幅広い視野が必要なので、

難易度が上がります。

 

単純にお客様の望むサービスが動けば良いというだけでなく、

お客様が意識していない機能面以外の要件(非機能要件)も固める技量が必要です。

【見逃しがちな非機能要件】

 

・機器が故障したときもサービスが継続できるのか

 

・アクセスが集中したときに耐えられるキャパシティ(容量)なのか

 

・メンテナンス時間はどのくらいの頻度で必要なのか

 

など

お客様はITシステムのプロでない場合が多いので、

こちらからうまく要件を引き出します。

 

ヒアリング能力やコミュニケーション能力が問われるところです。

 

要件定義のゴールは要件定義書をまとめてお客様の承認を得ること。

 

要件定義がずれている・漏れているとその後の工程がうまくいかないので、

要件定義の出来はプロジェクトの成否にとても影響します。

 

お客様の要件を漏れなくまとめ、

要件に含まれない事柄を明記することが大切です。

 

設計からは別の人が担当することもあるので、

誰が見ても曖昧さのない文書が求められます。

 

【要件定義で多い作業】

 

・お客様との打ち合わせ

・お客様との連絡

・メーカーに見積もり依頼

・要件定義書の作成とレビュー

 

文書はゼロから作るのではなく、社内に過去の設計文書があったり、

お客様からフォーマットをいただいたりします。

 

過去の設計文書はとても勉強になるので、

まだ上流工程に関わらなくてもどんどん読むのがおすすめです。

 

設計工程

 

設計工程では要件定義書を元に基本設計書を作成するのが主な仕事。

設計は、要件を実現するための構成やカスタマイズ内容を調査して決めます。

 

要件定義書では何を作るかを決めるのに対し、

基本設計書ではどうやって作るかを決めます。

 

例)

要件:サーバが故障してもサービスが停止しないようにする

設計:サーバを2重化する

サーバが停止しないのは実現したいこと、

サーバを2台用意して切り替わる構成にすることで実現します。

 

設計工程のゴールは、設計書を作成してお客様に承認を得ること。

 

各段階でお客様の承認を得る必要があります。

 

めんどくさい気もしますが、

この段階で合意したということを示すために重要なことです。

 

プロジェクトの規模によっては基本設計書だけでなく、

移行計画書やテスト計画書を求められることもあります。

移行計画書:

段階的に移行する場合に作成する。

各回の対象範囲を明確にするのが目的。

 

テスト計画書:

影響範囲が多岐にわたる場合に作成する。

テストすべき項目が網羅されているかを確認するのが目的。

呼び方や文書の定義は現場によって多少異なります。

基本設計書にすべて盛り込む場合もあります。

 

【要件定義で多い作業】

 

・お客様との打ち合わせ

・お客様との連絡

・メーカーに問い合わせ

・設計書の作成とレビュー

インフラエンジニアの仕事は、意外とドキュメント作成が多いです。

 

正確な日本語、明確な記載が求められるので、

文系でも活躍できる仕事ですよ!

 

実装・リリース工程

 

実装工程では設計書を元に作業手順書を作り、

実際に構築作業をしてテストします。

 

世間一般のSE・インフラエンジニアのイメージは、このフェーズが多いです。

 

作業手順書では具体的な作業内容と結果確認の方法を詳細に書きます。

実際に実行するジョブの名前や実行するコマンド名レベルまで記載。

 

理想は誰が見ても作業ができるくらい詳細に記載することです。

 

作業手順書もレビューがあります。

 

作業手順書以外にも、

タイムスケジュールや想定外の動作をしたときに戻す作業手順、

運用オペレータの引継ぎ資料なども用意。

 

既存のシステムに影響がある場合は、

計画停止の時間帯に作業することが多いです。

 

計画停止とは?

計画停止とは、メンテナンス用に予約している時間のことです。

 

銀行のシステムなどを使用しているとき、

「〇月〇日 〇時~〇時はシステムメンテナンスのため停止します。」

のようなメッセージが出ることがありますよね。

 

その時間はシステムを止めて変更作業をできるチャンスです。

 

まったく新しいシステムで既存システムから独立している場合は、

構築作業を日中に行うことができます。

 

大きなプロジェクトの場合は、

3連休を利用して夜勤も組み合わせながら作業することが多いです。

 

3連休明けにシステムトラブルが多いのは、

大きな変更作業をした後だからです。

 

実装作業のときは、休日出勤や夜間作業が発生する場合があります。

 

作業漏れや確認漏れがないように、

実装作業は作業者と再鑑者の2人一組で行います。

 

インフラエンジニアは作業の確実性が大切です。

1つのミスが大きな障害に繋がることも。

 

実装のときは、コマンドを打ったり用意したジョブを実行したりします。

確認テストも行います。

 

大規模プロジェクトではリハーサルがある

大規模プロジェクトではリハーサルがある場合も多いです。

 

リハーサルで作業手順書通りに実装できることを確認し、

万全の体制で本番リリースに臨みます。

 

作業手順を作成する段階では、どうしても確証が得られていない部分があるので、

実績がある作業手順にするのが目的です。

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運用保守の作業内容

運用保守は定型作業をしながら、障害対応や要件変更で非定型作業の対応をします。

 

運用保守の定型作業は定期的なメンテナンスのイメージ。

不定期に発生する作業が非定型作業、突発的に起こる故障や不具合が障害対応です。

 

エアコンで例えてみました!

・定型作業 :エアコンのフィルター掃除

 

・非定型作業:エアコンを新しい機種に取り換える

      (バージョンアップ/リプレース)

 

・障害対応:エアコンが突然壊れたから修理を呼ぶ

 

定型作業

運用保守は継続的な作業なので、定型作業が多いです。

 

定型作業は決まった作業手順を利用して行うので、

計画書を作ってレビューを受けて・・・という上流工程はありません。

 

運用保守の中でイレギュラーな作業(非定型作業)が出てきた場合は、

構築と同じように基本計画書を作って作業することもあります。

例)運用保守の定型作業

 

・パッチの配信

・データベースへのアップロードやインデックス再作成

・ストレージの管理

・システムの利用状況などのレポート取得

・ID管理作業(登録/削除/権限変更など)

 

など

難易度が低くて影響範囲が少ないものを定型作業と定義し、

手続きを簡素化している現場が多いです。

 

簡素化する対象の手続きとは、お客様の承認や設計文書の作成など。

何度も成功している作業は、”実績がある”と表現されます。

 

お客様や責任者は該当作業に実績があるかどうかを気にします。

”実績がある”と言えれば、スムーズに作業に着手できることが多いです。

 

障害対応

運用保守の中で1番緊張感が高まる仕事は障害対応です。

障害対応は下記の流れで進みます。

障害発覚

障害の原因調査

一次的な回復

障害の問題解決

障害は、オペレータからの連絡やお客様からの連絡で発覚します。

 

エンジニアが発見する場合もありますが、

多くはオペレータが監視中にエラーメッセージなどを見つけて連絡が入ることが多いです。

 

休日や夜間の場合は責任者に電話連絡が入ります。

責任者はチームリーダーが務めるか、持ち回りの場合もあります。

 

ひと昔前は交代でポケベルを持たされていたそうです。

休日でもポケベルがなったら公衆電話にダッシュしていたのだとか…

 

連絡が来たら、まず現状の把握をします。

 

アラートメッセージならメッセージ内容の詳細、

メッセージが出ているシステムや影響範囲を確認します。

 

過去に同様の障害がなかったか(過去事例)を確認すると早いです。

同様の障害がない場合は問題の切り分けをします。

 

一番気にするのは、お客様やエンドユーザーへの影響です。

 

例えば銀行のシステムなら、

お客様は銀行、エンドユーザーは銀行を利用する一般のお客様を指します。

 

お客様やエンドユーザーが使っている本番環境に影響がないなら、

ひとまず安心です。

 

影響が出ているシステムによって、緊迫感は異なります。

 

そこからはまず障害を回復させます。

問題が解決していなくても応急処置的に回復させるのが先です。

 

例)回復と解決の違い

 

回復:停止したサービスを再起動して稼働させる

解決:サービスが停止した原因を究明して解決する

解決しない場合はメーカーに問い合わせて同様の事象がないか確認したり、

再現テストをしてみたりします。

 

障害が解決しないと家に帰れない・・・と思われがちですが、

回復までできれば一旦、ひと区切りつきます。

 

その後はいつもより障害発生部分を注意深く監視しながら、

原因調査を並行して進めます。

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インフラエンジニアは文書作成が意外と多い

エンジニアというと、

1日中コマンドを打ったりコードを書いたりするのが世間的なイメージ。

 

意外にWordやExcelで文書を作成したり、打ち合わせをする時間も多いです。

 

マシンルームでガリガリ作業をするのは、

構築作業の日と障害対応のときが中心。

 

技術力は必要ですが、

論理的な思考やコミュニケーションスキルも必要です。

 

技術力はわりと短期間に集中して身に付けられるので、

むしろ論理的な思考やコミュニケーションスキルのほうが重要かもしれません。

インフラエンジニアの1日のスケジュール

設計工程の1日、運用保守の1日、構築作業の1日を紹介します。

 

設計工程の1日スケジュール

設計工程のとある1日

 

9時    :出社、メールチェック、打ち合わせ準備

 

10時  :設計書のチーム内レビュー

 

12時  :お昼

 

13時  :レビュー後の修正、メーカーに電話問い合わせ

 

15時  :別案件の作業手順書作成

 

16時  :他チームとの打ち合わせ

 

17時30分:退社

だいたいメールは都度確認、案件は複数担当するのが通常なので、

設計をしつつ、別案件の別工程をすることが多いです。

 

これ以外に週次で進捗報告などの定例会議が入ります。

 

設計書を作成する段階では、普通のデスクワークと変わりません。

Word/Excel/PowerPointでの文書作成や打ち合わせが多いです。

 

メーカーのマニュアルや技術資料を読むなどの情報収集もあります。

 

運用保守の1日スケジュール

 

【運用保守のとある1日】

 

9時    :出社、メールチェック、今日の作業確認

 

10時  :作業に関する申請書作成

 

12時  :お昼

 

13時  :変更作業(ジョブ実行、結果確認)

 

15時  :オペレータから警告(アラート)メッセージの連絡、原因調査

 

16時  :アラートの調査結果報告、オペレータに対応指示

 

17時30分:退社

作業をするためにIDを払い出す申請書や作業端末の利用申請を書いたりと、

運用保守も事務作業もあります。

 

最近はペーパーレス化(電子化)が進んでいるので、

パソコン上のワークフローで処理する現場が増えています。

 

ひと昔前は紙に印刷してハンコ(シャチハタ可)を押す…という、

エンジニアっぽくない作業もありました。

 

銀行系ではまだハンコが多いです。

 

システムを止めずにできる、システムへの影響が限定的な変更作業は

日中に行うので夜勤や休日出勤はしません。

 

毎日変更作業があるわけではなく、

変更作業に向けた準備が8割くらいです。

 

変更作業に向けた準備:

 

・作業手順書を作る

・作業で使うジョブを用意する

・タイムスケジュールを作る

・過去の作業事例を調べる

・作成した文書のレビューを受ける など

運用保守では、オペレータとのやり取りが多いです。

警告メッセージが出た、ジョブが異常終了した、などの連絡が来ます。

 

原因と影響範囲、対応方法を調べてオペレータに指示。

「障害対応ができたら一人前」といわれます。

 

構築作業の1日スケジュール

 

【構築作業のとある1日(休日)】

 

9時    :出社、朝会、オペレータに状況確認

 

10時  :タイムスケジュールに沿って作業

 

12時  :お昼

 

13時  :タイムスケジュールに沿って作業の続き

 

15時  :チェックポイント

 

16時  :退社

休日の構築作業を想定したスケジュール例です。

事前に作成したタイムスケジュールと作業手順書に沿って作業を行います。

 

作業が終わったら、

その日やる作業がすべて問題なく終わっているかをチェックポイントで判定。

 

判定がOKなら作業終了です。

想定外の結果で判定NGならフォールバック(戻し)の作業が発生します。

 

戻しの作業まで含めてスケジュールしているので、

休日作業はわりと早く終わることが多いです。

 

個人的に休日作業は好きです。

 

休日作業はラフな雰囲気

休日は服装が自由で出社している人も少ないため、

普段よりは緩めに仕事ができます。

 

待ち時間に雑談したりお菓子を食べたり・・・

普段のオフィスより和やかな雰囲気で作業しています。

 

ただ、トラブルがあったら雰囲気はガラっと変わります。

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インフラエンジニアの意外な仕事

 

最後に、10年以上インフラエンジニアをする中で経験した、

「インフラエンジニアはこんなこともやるの?」という意外な仕事を紹介します。

 

・500台のPCキッティング

お客様のオフィスが移転するということで、

移転先でクライアントPCを500台キッティングしました。

 

臨時に8名集められ、1人約60~65台の設置・初期設定をするのです。

 

段ボールから出して、LANケーブルを指し、

電源を入れて初期設定・・・の繰り返し。

 

作業は簡単ですが、けっこう飽きます。

 

お客様が出社する月曜日には使える状態にしたいので、

日曜日の朝9時から夜19時ころまでで終わらせました。

 

オフィス移転のタイミングでは、

単純なキッティング作業を担当することもあります。

 

・装置の配置場所決め

ストレージ装置を入れ替える際、搬入先のレイアウトを決めました。

 

マシンルームは床下が空洞でケーブルがたくさん通っているので、

床の耐荷重が決まっています。

 

また、電源までの距離やケーブルの長さも計算しないといけません。

 

変に配置すると床が抜ける可能性が・・・

 

パネルにかかる床面積と装置の重量を計算して

最適な配置を決めました。

 

指定の場所に置いてもらうように運送業者に指示・誘導するのも仕事です。

 

・テープのマウントを1時間

磁気テープのマウント(テープを差し込む)は、オペレータの仕事です。

 

しかし、普段は人がいない災対環境での作業が必要な場合は、

オペレータの作業もインフラエンジニアで行うことがあります。

 

夜間バッチ処理を丸ごとテストする必要があったので、

1時間くらいシステムの要求通りにマウントしました。

(出張で夜の10時ごろ・・・)

 

インフラエンジニアなのに、思わぬ体力仕事です。

 

インフラを導入・構築して利用するために必要な作業は、

広くインフラエンジニアの仕事です。

 

たまにイレギュラーな仕事が入ってくることもあります。

 

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まとめ:インフラエンジニアの仕事をイメージしよう!

・構築と運用保守では仕事内容が異なる

 

・要件定義や設計工程では文書の作成と打ち合わせが多い

 

・実装工程でも作業手順書など文書作成がある

 

・運用保守には定型作業と非定型作業、障害対応がある

 

・障害対応ではシステム利用者に影響を与えないことが最優先

 

・障害が起きなければ、一般企業の会社員と同じようなスケジュール

 

・休日作業は問題がなければ早く終わることが多い

 

インフラエンジニアが毎日どのように作業をしているかイメージがつきましたか?

 

よく分からない仕事に就くのは不安なので、

具体的な作業イメージや1日のスケジュールを紹介しました。

 

所属する会社によって細かなやり方は変わりますので、

不安がある人は就職したい会社の情報を収集してみましょう。

 

女性インフラエンジニアの会社選び!ホワイト企業を選ぶポイントを徹底解説女性インフラエンジニアの会社選び!ホワイト企業を選ぶポイントを徹底解説

 

 

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